「なかなかガンでは死なない」 その2

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おはようございます、

前回からの続きです。

 

⑤「随伴症状の改善」

がん免疫治療、免疫キレーション点滴、がんカテーテル治療とがん免疫治療病院で行われているがん治療戦略をご紹介しましたが、しかし個々に上げる各種症状を併せ持った場合、必ず平行してこれらの対処をすることを忘れてはならない。

● 痛みの対処

進行したがんにとって直面する最大の悩みが「痛み」です。痛みの程度が比較的穏やかな場合は、いわゆる「消炎鎮痛薬(ボルタレン・ロキソニン・各種一般座薬)」などの投与でも十分に効果がある。

しかしそれでも痛みが治まらない、あるいは服薬してもすぐに痛み出すなどの症状があったなら早めに麻薬系の鎮痛薬に切り替えることも検討したい。

どうしても「麻薬」、「モルヒネ」と聞くと違法な中毒者を想像し、怖がって使いたがらない人もいるが大きな誤解である。

むしろ効果がないにもかかわらず普通の鎮痛薬を乱用すると、消化管出血や腹痛、食欲減退による全身衰弱といった恐ろしい副作用も待ち受ける。

がん治療を要する時に、このような副作用が出現すると体力の消耗と相まって時に致命的である。
むしろ早めに麻薬系(モルヒネなど)へ切り替えて、四六時中「痛みのない状態」を作り出すことが重要です。
すると当然、生活の質(QOL)が向上し、強い痛み刺激のストレスによる免疫力の低下も未然に防げる。

もちろん麻薬系に移行するにはいくつかの注意点も必要です。自分の主治医と親身な関係を気付き、麻薬系鎮痛薬の使用開始にあっての注意点、服用量の決定を注意深く行ってもらうことも必要です。

副作用については、以下の条件を満たしてもらえば、消炎鎮痛薬よりずっと安全だと思います。
① 慣れない投与開始初期には少量から始め、徐々に最適な分量に調整してもらう。
初めから大量に飲んで副作用が出ないはずがない。先ずは少量からならして、自分の痛みに必要な量に調整してもら

② 副作用にめまい、ふらつき、頑固な便秘、吐き気などがある。ある程度慣れるまで、めまいやふらつきは避けられないものです。しかし大概の方は飲んで数日すると気にならなくなることが多いので、初めから嫌がらないことです。

また吐き気のでやすい人もいるが、投与初期から吐き気止めを効果的に併用し、感じさせないようにするのが医者の腕の見せ所でもあります。

便秘はどうしようもない。必ず便秘することを事前に了解の上、うまく調節つくように下剤を併用することにつきます。

一見つまらない副作用だらけだが、恐ろしい普通の鎮痛薬乱用より、はるかに安全でストレスもない。

③ 無痛時間を延ばすよう調節し、痛みを我慢しない。麻薬系鎮痛薬治療の原則は、痛みを
感じない時間を延ばすことです。
次の分を飲むまでに痛み出して我慢しているようでは、うまく麻薬を使いこなしていない。このような使い方は一回服用量をいたずらに増やしてしまう危険があるので、主治医に適量を調節してもらう。
また鋭い痛みが時々襲う場合には、別に短時間作用型の麻薬を併用してもよい。

④ 併用してはならない痛み止めもある。以前、非麻薬系の鎮痛薬として多用された合成鎮痛薬(ソセゴン、レペタンなど)は、麻薬の効果とかち合う性質をもつ。万一謝って併用すると、両者とも効果がなくなり、痛みにのたうち回る。医者が知ってさえいればこのようなことはあり得ないが、複数の医療機関で鎮痛薬を処方される時には注意が必要です。

こうして適切に麻薬系鎮痛薬を利用できたなら、がんで一番怖れられる「痛み」は解決したも同然です。

保険診療規則にかかわる注意点

麻薬系鎮痛薬は、非常に高価な薬ですが、がんに対してはそのほとんどが保険治療を超えたすべての保険適応があります。
ところが紹介している各種治療は、そのほとんどが保険診療を超えたものであり、自由診療にならざるを得ない。

しかしながら保険診療規則では保険治療と自由診療の同時実施は「混合診療」という重大なルール違反とされ認められないのです。

そのため麻薬系鎮痛薬処方が必要な方はそれぞれ各自の保険治療担当医療機関・主治医によって管理・処方してもらう必要のあることをご理解頂きたい。
⑤なかなか「がん」では死なない

がんにかかった方のほとんどは、「がんで死ぬ」のを強く恐れるのは当然のことであろうと思います。
ところが直接的に「がん」で死ぬことは、頻度からして非常に少ないのです。

例えばがんが直接の死因になることを考えてみましょう。どこかの臓器にあるがんが、どんどん大きくなり、遂に破裂して大出血、出血多量といったケースがこの場合に該当します。

ところがこのようなケースが事前想定された場合、なんらかの外科的処置によって回避されることも多いのです。

ならば一番多い原因は何か?
それは「治療の手立て無し」と判断され、積極治療が中断されてから訪れる随伴症状による場合がほとんどです。この事実は一般的にはあまり知られていない。

がんの末期だからこれ以上治療しても仕方ないと栄養補給も不充分にされ、その結果脱水症や飢餓状態を招いて亡くなる方、痛みの管理が不充分のまま食事もとれない状態になり、苦痛で衰弱して亡くなる方、胸水や腹水が溜まっても抜いて貰えず、結果として呼吸不全(窒息)や肝不全でなくなる方、お腹にがん腫瘍が出来てもバイパス手術や人工肛門の処置もされず、ついには消化したものが通らなくなってお腹パンパン、腸閉塞でなくなる方、同じような理由で尿も出なくなって亡くなる方などみなさんも身近に経験があるのではないでしょうか。

一私見ですが「がん治療」という言葉はこのような時にこそ、行われる治療を意味するものではないでしょうか。

手術や放射線治療、抗がん剤治療なども含め、専門医であればたやすく治療できる時期だけをがん治療というものなのか。末期症状になると最近ではその多くが「がん治療」としてではなく「ターミナルケア」といったキレイな言葉に置き換えられがちです。

しかしがんが進行し治療がままならなくなってきた頃こそ、その不安や症状を改善せしめる治療、これこそ本質的な「がん治療」に他ならないと思うのはいかがでしょうか。皆様はどう思われますか。
⑦「胸水・腹水の迷信」

肺に出来たがん細胞が広がって、胸の中に大量の水が溜まってしまう「胸水」。がん性胸膜炎(きょうまくえん)と呼ばれる症状です。

一方で腹部に出来たがん細胞が広がって、お腹いっぱいに水が溜まる「腹水」・がん性腹膜炎(ふくまくえん)と呼ばれる症状です。胸水や腹水が溜まると、ほとんどのがんでステージⅣ(最も進んだ進行度)と診断されてしまう。

まさかと思うだろうが放置すれば胸水・腹水とも簡単に5~8リットルもの水が溜まってしまうのです。

胸に溜まったのを放置すると、初めは呼吸困難、いずれは「布団の中での溺死」とも表現される恐ろしい「窒息(ちっそく)」が待っている。

お腹に溜まった場合、妊婦さんのようにふくれたそのお腹では、圧迫が強すぎて食事も出来なくなる。もちろん呼吸もままならないのです。

どうすればよいのか、それは簡単です。局所に麻酔の注射をして細い管を射し込み、水を抜いてあげればよいのです。おそらく数時間後に、そのほとんどの方で症状が軽減し、苦しさの恐怖から解放される。

腹水や胸水の中には大量の栄養分が含まれている。しかしガンの進行によって行き場をなくしてしまって溜まった液体は、体内にあってもおよそ再利用は不可能なものである。

また利尿剤を大量に使ったとしましょう。利尿剤は腎臓に働きかけて血液中の水分を排泄させるため、確かに尿量は増えるが、出てくる量はほとんどが血管内の水分であり、水の行き来がほとんどない胸水・腹水から出てくることは僅かである。

大量の利尿剤を使って血管内の水分を排除すると、当然強烈な脱水症状に見舞われます。もしここで適切な輸液、栄養補給を併用せず大量に利尿剤を使ったなら、脱水症状から血圧低下、悪くすると急性循環不全で命取りになる場合もあります。

本人の望む「最後まで治療放棄のないがん医療」の必要性を痛感します。

次回「栄養維持の迷信」に続きます。

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